手持ちの昆虫図鑑を紹介する上記記事を書いたときに、図鑑紹介をシリーズ化するみたいなことを書いてましたが、今まで完全に放置してしまっていました。

しばらく期間が空いてしまいましたが、前回の図鑑記事の続編ということで今回は僕がいつも使っている植物図鑑をご紹介しようと思います。(やや北海道に特化したラインナップです)
樹木図鑑
新版 北海道の樹
大学生のころ、山歩きをしながら写真撮影を始めた時に「もっと木の名前が分かるようになりたいな」と思って一番初めに購入した樹木図鑑です。
北海道に自生する種をメインに、庭園・街路樹・植林に用いられている種類も含めて342種が掲載されているコンパクトな図鑑。
1種につき1ページで紹介されており、ページの上部2/3が写真で下部1/3に解説が掲載されています。
「針のような葉」「細長い葉」「木の葉形の葉」「丸い葉・卵形の葉」「手のひら形の葉」「羽のような葉」という葉の形による分類で区分けされており、葉という分かりやすい手がかりから該当の種を探し出すことができます。
増補新版 北海道樹木図鑑
北海道内に自生する樹種や庭園や街路樹に使用される導入樹種を合わせて507種類についての写真+解説、変種・品種・園芸品種 ・雑種など72種類の写真が掲載された図鑑です。初めに紹介した『新版 北海道の樹』よりも情報量が多いです。
この図鑑の素晴らしいところは、巻頭に「葉」「冬芽」「種子」の写真が一覧で掲載されているところ。それぞれの掲載種数も多く、「葉」は430種類、「冬芽」は331種類、「種子」は318種類が載っています。
本編である解説編では、一部の樹種を除いて1種あたり半ページの掲載量で写真と文章の解説が掲載されています。
『新版 北海道の樹』と併せて活用するとなお良いですが、北海道の木に関する図鑑を1冊だけ選ぶとしたらこの『増補新版 北海道樹木図鑑』を推します。
葉で分かる樹木
樹木の葉に特化した図鑑で、全国で見られる樹木のうち625種類が掲載されています。
樹種1種あたり半ページの掲載量で、それぞれ葉表と葉裏の等倍写真・葉裏の4倍写真が漏れなく載ってます。
巻頭の葉の形状による検索表が便利で、検索表を使うことで葉の形や付き方からおおまかな樹種のあたりを付けることができます。
フィールド版 落葉広葉樹図譜
スノーシューで冬に雪が降り積もった森の中を散策するようになってから、葉が落ちたときでも樹種が同定できるようにと思い買った1冊。
科・属ごとに冬芽の形状が手書きの挿絵とともに解説されている図鑑です。
内容はかなり専門的でとっつきづらく僕もまだあまり活用できていませんが、冬芽を観察する上での用語解説集や落葉樹林についての歴史といった解説もついているので、手元におけば長く使えそうな1冊でもあります。
玄人におすすめ。
草本図鑑
新北海道の花
北海道に自生する草本&小低木のうち約1900種を収録したコンパクトな図鑑です。
『新版 北海道の樹』と同じ大きさで厚さが1.5倍くらいの本。
「黄やオレンジの花」「白い花」「赤・ピンクや赤紫の花」「青や青紫の花」「緑やクリームの花」「目立たない花」といった花の色で分類されているので、科名がわからなくても花の色から検索できるので便利です。
この本1冊で種名までずばり特定するのは難しい種類もありますが、1冊持っていると道端の花のだいたいの名前が分かるので良いです。
北海道 山の花図鑑 札幌市 藻岩・円山・八剣山
北海道札幌市の藻岩山・円山・八剣山に生息する花の咲く植物+シダ植物を掲載した図鑑。
掲載種自体は少ないですが、なんといってもピンポイントな場所に生えている植物をピックアップしている本なので、このあたりをよく散策する人にはとても便利な一冊です。
『新北海道の花』と同じく、こちらも花の色から検索ができます。
改定新版 北海道山菜図鑑
北海道に自生あるいは野生化している植物のうち、食べられる112種類と有毒な10種類を掲載した図鑑です。 掲載種は和名のあいうえお順に掲載されています。
それぞれの種について、採取時期や食べ方まで詳しく紹介しているので、北海道山菜採りをはじめたい人には必携の1冊ではないかと思われます。
山菜といえば、せいぜい10種類くらいしか食べたことのない僕でしたが、「えっ!?こんなものまで食べれるの?」と目から鱗の本でした。
巻末には「アイヌが伝えてきた山菜料理」という章があり、山菜のアイヌ語名やアイヌの山菜活用法、レシピ集が掲載されています。
蘚苔類・地衣類図鑑
野外観察ハンドブック 校庭のコケ
盆栽や苔ボトリウムを始めてから、急に詳しく知りたくなったコケのこと。
そんな時に買った図鑑がこれでした。
苔(蘚苔類)と地衣類について、その生活史・観察法・標本の作り方まで詳しく解説されており、苔についてもっと知りたいと思った場合にとっつきやすい図鑑です。


菌類図鑑
新装改版 北海道きのこ図鑑
北海道で見られる きのこ762種類を掲載したきのこ図鑑です。
生える環境(「カラマツ林」「トウヒ林」「マツ林」「モミ林」「各種針葉樹林」「カエデ林」「コナラ林」「シラカンバ林」「ニレ林」「ブナ林」「モクレン林」「ポプラ・ヤナギ林」「各種広葉樹林」「針・広混交林」「草地・その他」)毎に掲載されています。
変形菌類図鑑
日本変形菌類図鑑
南方熊楠で有名な粘菌こと「変形菌」を134種8変種を掲載した図鑑です。
超接写&被写界深度合成ができるオリンパスのコンデジSTYLUS TG-4 Toughを買ってから、この図鑑で発生場所にあたりをつけてからの粘菌探しが楽しくなりました。


前半に伊沢正名さんが撮影された綺麗なカラー写真、中盤に種毎の詳細な解説、後半に用語解説や採集・標本作製方法が載っており、変形菌について詳しく知りたい人にはおすすめの1冊。変形菌の写真集としてパラパラと眺めても楽しいです。
ちなみに図鑑に掲載されている写真を撮影した伊沢正名さんは、キノコ写真撮影の大家であると同時に自らを「糞土師」と名乗り、『くう・ねる・のぐそ』という素晴らしい野糞本も出しているので、こちらもオススメ。
自身の野糞が土に還っていく過程の生々しいカラー写真を、巻末袋とじとして掲載するという誰も考えつかなかったセンスが素晴らしいです。