スジグロカバマダラ(Salatura genutia) 2010年3月4日 竹富島で撮影
引越しに備えてほぼ一日中部屋の片付けをしていたところ、懐かしい本を見つけました。
奥本大三郎 著『楽しい昆虫採集』
ファーブル昆虫記の訳で有名な奥本先生が、昆虫採集のイロハについて非常にわかりやすく教えてくれる名著です。
小学生の頃に初めて読んでどハマりした文庫が奥本先生の『ファーブル昆虫記』だった僕が、中学生の頃に読んで昆虫採集の道にずっぷりと引きずり込まれた一冊。
この本一冊あれば昆虫採集できるぜ!ってくらいに充実した内容で、お子さんの夏休みの自由研究を控えたパパさんにも自身を持っておすすめできます。
本書を読んでいたら虫取り小僧だったころの情熱が蘇ってきたので、季節外れですが昆虫採集に必要な道具を少し紹介してみます。
昆虫標本を作るのに最低限必要な道具
捕虫網(虫とり網)
これがなければ始まらないってくらいに優先度No.1のアイテム。
本格的に昆虫採集をしようと考えるなら迷わずプロ仕様の捕虫網を購入しましょう。
軽量で頑丈な4本継ぎくりだし式アルミ竿に、折り曲げて持ち運べる網枠と絹素材で出来ていて蝶の花粉落ちが少ない網のセットです。
一度買えばほぼずっと使えるので、お子さんにもホームセンターとかに売ってる安網ではなく本物を買い与えましょう。
昆虫針
標本を止めるための針(虫ピン)です。
腐蝕の心配がない最上質のステンレス素材で、頭部分は一体成型のため外れることがありません。
日常使いであれば3号を買っておけば良いかと思います。
写真のように甲虫を畳紙(タトウ)で保存するのであれば針は必須ではありませんが、蝶の展翅をしたり、標本箱に入れる際には必須です。
蝶の標本作成には必須の「展翅板」
蝶の標本を作る際に、羽を広げた状態で固定させる台です。
真ん中の溝に蝶の胴体を置き、横の板部分広げた羽を展翅テープとマチ針で固定します。
展翅板は自作もできますが、作るのが面倒くさい方は購入するのをおすすめします。
三角紙
このように採った蝶を入れて保存する三角紙。
紙質がツルツルしているので、蝶の鱗粉を落とすことがありません。
軽く胸を圧迫して動けなくした蝶を三角紙に包み、その三角紙をタッパーなどに入れて持ち帰ります。
グラシン紙やパラフィン紙で自作することもできます。
昆虫採集で有機的に結びついた知識を獲得できる!
普段何気なく見かけている虫。忌み嫌う人も多いのではないでしょうか。
しかし昆虫採集を始めると違った世界が見えてきます。
捕まえて標本を作るにあたって、種名同定のため昆虫図鑑を紐解くうちに覚えた虫の名前がどんどん増えていき、目当ての昆虫を採るためにその虫が採れる環境も覚えていきます。
- 特定の蝶の幼虫を捕まえにいくために見つけるべき植物(食草)
- 針葉樹林と広葉樹林に生息している昆虫の違い
- 特定の地形に生息している昆虫
等の知識が本の知識ではなく体で覚えることができます。
そのように自然に関する有機的に結びついた知識をつけるには、昆虫採集はうってつけのアクティビティーです。
ぜひ今年の夏休みはお子さんと一緒に虫採りに出かけてみてください。