
以前こちらの記事に書きましたが、エゾマツ盆栽に苔を貼りました。
盆栽に貼り付けた苔は、その後も順調に生育しているようで一安心です。
その盆栽貼りで余った苔を使って、苔ボトルを作ってみましたので、今回はその作り方を紹介しようと思います。
苔ボトルとは
苔ボトルとは、小ぶりのガラス容器に培養土を敷き苔を植え付けることによって、気軽に苔の魅力を楽しむためのオブジェです。
苔が主役の小さなテラリウム。
省スペースかつ管理も簡単で、日光が足りないとすぐひょろひょろと伸びてしまう多肉植物やサボテンと違い、日当たりの悪い室内でも育てることができます。
苔ボトルの作り方
管理が簡単な苔ボトル、作り方もいたって簡単で以下の3ステップで作れます。
- 苔・土・ガラス容器を用意する
- ガラス容器に土を入れる
- 苔を適当な大きさに切って貼る
それぞれ順に説明していきます。
1. 苔・土・ガラス容器を用意する
一番大変なのは苔を用意することですが、いまでは苔も通信販売で買える時代です。
Amazonにも多数の苔の出品があります。
苔は近所の道路脇や公園等で採取してこれないこともありませんが、他の生物の混入リスクが高いので、通販や園芸店で購入するのが安全です。
札幌の園芸店やアクアリウムショップを何件か回ってみたのですが、そもそも苔が販売してなかったり、状態が悪かったりしたので、madは「モス・プラン」さんから通販で苔を買いました。
こけ園芸とコケの通販・苔図鑑・コケの写真集 苔のクローズアップ画像から苔散策・街散歩まで画像数はおよそ10万枚 モス・プラン
発注から到着まで日数もそれほどかからず、価格も良心的。
そしてなにより苔の状態が素晴らしくリピーターになってしまいそうな感じです。
ついでにモス・プランより「樹皮培養土」も購入しました。
樹皮培養土とは、木の樹皮から作られた培養土で、苔が好む中性の酸性度で、腐りにくく保水性もよいため苔ボトルを作るのに適した培養土です。
次にガラス容器ですが、100円ショップでも苔ボトルに適したようなガラス容器がたくさん売っています。
ただ100円ショップに売っているガラス容器は、素材が厚手のものが多く、光の透過性の悪さが鑑賞時に残念になりそうな感じだったので、Amazonでこちらのガラス容器を購入しました。
直径8cm、ちょこんとした可愛らしい足が3本付いています。
2. ガラス容器に土を入れる
苔・培養土・ガラス容器が揃ったところでいよいよコケボトル作成です。
箸やピンセットも後で使うので用意しておきましょう。
樹皮培養土はこんな感じのもふもふとした土です。
「モス・プラン」さんの”樹皮培養土S 1L(細目・育苗)”です。
今回は樹皮培養土を使いましたが、普通にホームセンター売っている「腐葉土」や「粒状培養土」でも問題なく育てることができるようです。
スプーンを使って、なるべくガラス容器の側面を汚さないようにそっと土を入れていきます。
入れる苔の種類にもよりますが、これくらい入れれば十分かと思います。
土を入れた後は霧吹きで土を湿らせます。
土を湿らせてから容器に入れる方法もあります。
これで容器のセッティングは完了です。
3. 苔を適当な大きさに切って貼る
いよいよ苔ボトル作成の大詰め、苔を貼る作業に移ります。
今回は手元に苔が三種類あったので、苔ボトルも3つ作ってみました。
アラハシラガゴケ
まずはアラハシラガゴケを貼っていきます。
苔を適当な大きさに手でちぎります。
この塊をより円形にするためにハサミで苔の縁をカットしていきます。
まんまるになりました。
……こういうカーペットありそうですね。
あとは苔を容器に入れ、土に軽く押し付けて馴染ませます。
端のほうは箸を使って押し付けます。
コケを貼り終わったら、霧吹きをかけて完成!
スナゴケ
次はスナゴケ単体で苔ボトルを作ってみます。
ボリューム感を出すために、中央部分が高くなるように樹皮培養土を盛りつけました。
あとはアラハシラガゴケのときと同じように苔を貼って……
ボリュームたっぷりな苔ボトルの完成!
ヒノキゴケ・アラハシラガゴケ・スナゴケの寄せ植え
最後に、ヒノキゴケ・アラハシラガゴケ・スナゴケの3種類の苔を使って寄せ植えを作ってみます。
手前に薄く、奥に行くにつれて厚くなるように樹皮培養土を敷き、アラハシラガゴケとスナゴケを貼ります。
ヒノキゴケの株を用意します。
株元はハサミで切って整理しておきます。
先細のピンセットを使って、アラハシラガゴケの一部に穴をあけて、その穴を通してヒノキゴケを培養土に植え付けたら完成です。
アラハシラガゴケで草を、スナゴケで灌木を、ヒノキゴケで樹を表現してみました。
このように、他種類の苔を寄せ植えすることで、自然の情景を小さなボトルに詰め込むことができるのも苔ボトルの魅力です。
苔ボトルの管理方法
苔の種類にもよりますが、基本的には直射日光があたらない半日陰で管理します。
また容器内の湿度を保つことがポイントなので、乾く前に霧吹きで水やりをしてあげます。
その際に、培養土にも水を含ませるように水やりをすると、培養土に含まれた水分が徐々に蒸発するため、容器内の湿度が保たれるようになります。
より高湿度を好むコケを育てる場合には、蓋付きのボトルを使うか、アクリル板やサランラップで開口部に蓋をするとよいでしょう。
ともかく水やりをしっかり行えば、これといった小難しい管理も必要ではないので、ほかの観葉植物を育てるより気軽に部屋の中に緑を取り入れることができます。
より詳しい管理方法や、様々な苔ボトルの作例が見たい方はこちらの本をおすすめします。
まとめ
省スペースで、簡単に作れて管理も簡単。
おまけに日当たりの悪い室内でも育てられる。
けれども、眺めているだけでとっても可愛くて癒される苔ボトル。
机の上に置いておくと、ふとした瞬間に苔の緑が目に入ってきてなんとも心穏やかな気持になります。
まさに簡単に作れる心のオアシス。
小さいながら侘び寂びを感じることもできます。
省スペースで水をこぼす心配もないので、仕事場のデスクに置いてもよさそうですね。
以上、苔ボトルのつくりかたでした。