先週の土曜日。
ちょっと遠出をしたい気分だったので、早起きをして札幌発-苫小牧行きの始発高速バスに乗り込み、ウトナイ湖まで野鳥撮影に行ってきました。
ウトナイ湖
ウトナイ湖は北海道苫小牧市にある淡水湖で、バードウォッチングスポットとしても有名です。
ウトナイ湖は、周囲9km、面積275ha、平均水深0.6mの淡水湖で、美々川をはじめトキサタマップなどの清流がそそぎ、湖の周辺には、原野、湿原などの豊かな自然が形成されています。
このことからウトナイ湖は、動植物の宝庫、野鳥の楽園ともいわれ、現在まで250種を超える鳥類が確認され、バードウオッチングや自然散策、自然観察など、四季折々の自然や野鳥とのふれあいが楽しめます。特にガン、カモ類やハクチョウなどの渡り鳥にとっては重要な中継地であり、マガンやハクチョウの集団渡来地として国際的に知られています。
公共交通機関でのアクセス方法
車の運転ができないので、いつもウトナイ湖へは札幌から高速バスに乗って出かけます。
- 中央バス「高速とまこまい号」
- 道南バスの「高速ハスカップ号」
のどちらかに乗車し、バス停「ウトナイ団地」で下車後、国道36号線沿いに1.3km(徒歩15-20分ほど)で道の駅ウトナイ湖(湖の北西側)に到着します。
なお、始発地の「札幌駅前ターミナル」から「ウトナイ団地」までの所要時間は約1時間少々、高速バス料金は大人片道1220円です。【2019-12-29 時点】
その他のアクセス方法については、ウトナイ湖サンクチュアリのサイトに詳しく掲載されています。→ ウトナイ湖サンクチュアリ 交通アクセス
ウトナイ湖までの道中
バス停「ウトナイ団地」で下車したあとは、バス停近くのセイコーマートで飲食物を調達し、国道36号線沿いを徒歩で北上してウトナイ湖まで向かいます。
朝早い時間だったからか、そもそも誰もこんなとこを歩かないのか歩いているのは自分一人。
しばらく道沿いに歩くと、勇払川に差し掛かります。
ここまで来ればウトナイ湖まであと少し。
ウトナイ湖に到着
ウトナイ湖に到着。
「道の駅ウトナイ湖」のすぐ裏手にウトナイ湖が広がっています。
オジロワシ
凍結した湖面で休息するオジロワシを観察する人もちらほら。
2羽いたオジロワシのうち1羽が飛び立ったところを撮影できました。
ウトナイ湖に注ぎ込む勇払川
勇払川がウトナイ湖に注ぎ込む付近の様子。
このあたりでハクチョウやミヤマカケスを見かけたけれども、撮影できず。
川の表面は凍っていませんが、湖の表面の大部分には氷が張っていました。
ちなみにこのあたりの河川名は、苫小牧市のHPに掲載されている以下の河川位置図を参照しました。
湖岸の散策路を探索
ウトナイ湖サンクチュアリの園内には6本の散策路が設置されており、湖の北側を散策することができます。
湖の畔を散策する道や、林の中を散策する道があります。
園内の林の中にはオタルマップ川が流れています。
なにやら川底が赤茶けて見えます。
ウトナイ湖に限らず、湿地を歩いているとよく見る川の光景。
水に溶けた鉄が鉄バクテリアに酸化されて沈殿することで、このような見た目になるとのこと。
またこのような川や水溜りで、水面に油膜が張ったようになっているのをよく見かけますが、実はあれは油膜ではなくて鉄バクテリアが作る鉄の酸化皮膜のようです。
ウソ
ネイチャーセンター近くの林内でウソを見つけました。
樹木の種子を食べています。
福々しい見た目でとてもかわいい。
アカゲラ
アカゲラ
餌を探し回っているところです。
ドラミング音と鳴き声で、「あ、近くにいるな」というのが分かりやすい鳥でもあります。
シジュウカラ
シジュウカラ(雄)
雄の背面部分の色が綺麗で好きな鳥です。
地衣類・蘚苔類を深度合成撮影
林内に生えている樹木の幹には、様々な地衣類やコケが生えていました。
樹木が葉を落としてしまったこの時期の林内に、彩りを添えてくれる存在です。
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROにテレコンを付けた状態で、深度合成モードで手持ち撮影してみたところ、案外しっかりと撮れていました。
マクロレンズに付け替えるほどでもないような場面で役立ちますね、この組み合わせ。
キタキツネ
イソシギの小径を通り林内を抜けて再びウトナイ湖畔まで出ると、湖岸のヨシの陰からキタキツネが飛び出してきて、そのまま凍った湖の上を小走りで渡っていきました。
あまりに突然のことだったので、カメラ操作が間に合わず、だいぶ離れた状態からの撮影となってしまい非常に残念。
至近距離で撮るチャンスだったのに……修練が足りませんでしたね。
時折こちらを振り返って警戒している感じです。
ホオジロ
キツネを見送ったあと湖岸のヨシ原を見渡していたら、ホオジロの群れがヨシの実をついばんでいるところを見つけました。
ぱっと見たときに「スズメかな?」と思ってしまう姿形ですが、眉斑・頬・喉が白いのが特徴です。
オジロワシとの再開
あらかた散策路を歩き通したので、朝来た場所に戻ってきたところ、まだオジロワシがいました。
カラスも周りにたかっていたので、近くに食べ物でもあるのかしらと探してみると
サケ?の残骸を発見。
おそらくこれを食べていたのでしょう。
しばらく粘ってじっと見ていたら、木から氷へ飛び移る場面を撮ることができました
石狩に行くたびに見かけても、遠くから見ることしかできなかったオジロワシ。
この日は近くでたくさん撮れて大満足です。苫小牧まで来た甲斐がありました。
帰り道でカササギ発見
ウトナイ湖を後にしてバス停に戻る途中、頭上から聞いたことのない鳥の鳴き声がしたので見上げてみると、電柱から伸びた電線上にカラス科の鳥であるカササギが止まっていました。初めて見た!
外来種であるこのカササギ(※1)、北海道では1980年代から各地で目撃されており、ここ苫小牧市では北海道内でもっとも多くのカササギが繁殖している場所だそうです。(※2)
※1 北海道ブルーリスト 2010 – カササギ
※2 北海道のカササギ | 北海道カササギプロジェクト