ゴールデンウィーク中の話になりますが、今月上旬の連休中に体力を持て余していたので、新川沿いに河口まで一人サイクリングに行ってきました。
去年も同じように新川河口まで行ったのですが、そのときは川の右岸の「オタネ浜」や「オタナイ発祥之地碑」を目的地にしており、新川左岸の河口近くは未訪問でした。
そのため、今回は新川左岸の河口近くにある「手稲山口バッタ塚」や「大浜海岸」を最終目的地にして出発です。
琴似川と新川沿いにサイクリング
- 新川さくら並木
- ほぼ満開の桜
新川の河口まで行く今回のサイクリングは、Googleマップ上で琴似川緑地(始点)となっているあたりがスタート地点です。
この日は5月3日だったのですが、通り道の新川さくら並木の桜はほぼ満開状態でした。
新型コロナウイルス感染症拡大を抑えるための自粛期間ということもあり、人の数も去年よりかなり少なくなっていた気もしますが、それでも密になっている感は否めなかったので遠目から眺める程度で通り過ぎます。
新緑の季節
- ヒメオドリコソウの花
- ネグンドカエデの花
川のほとりではヤナギの若葉が開きはじめたり、ヒメオドリコソウやネグンドカエデの花が咲き始めたりと、新緑の季節だなぁという印象。
アオサギとキタキツネを発見
- アオサギ
- キタキツネ(ネズミを捕食中)
アオサギやキタキツネも見つけました。
キタキツネは食事中だったようで、なにやらネズミのようなものを咥えています。
前田森林公園へ寄り道
- 前田森林公園のカナール
通り道にある前田森林公園へトイレ休憩がてら立ち寄り、園内を軽く散歩して桜を見てきました。
公園の駐車場は閉鎖されていたので、園内を歩く人の姿はまばらです。
新川の河口へ


第一新川橋付近からの新川(下流方面)の眺め
とうとう新川通も終点まで来ました。
上の写真は第一新川橋付近から新川の下流方面を眺めたものですが、ここで右岸の砂利道を行くと昨年行ったように「オタネ浜」まで行くことができます。
今回は前回行けなかった左岸の道を進んで行きます。
左岸の道は途中までコンクリート舗装されているので自転車で進むのが楽。
- 濁川
- バッタ塚橋
- 西部スラッジセンター
途中、新川に合流する「濁川」という川に進路を阻まれるので、「バッタ塚橋」を渡って濁川の左岸に出て、「西武スラッジセンター脇の道」を進んで行きます。
- 手稲山口バッタ塚への道入口
- 小樽内(オタルナイ)橋
そのまま河口に向かって進んでいくと、左手に手稲山口バッタ塚へ続いている道の入り口と、右手奥には新川河口近くにかかる「小樽内(オタルナイ)橋」が見えてきます。
新川河口付近のカワウ
新川の真ん中から突き出た枯れ枝にカワウが集まっていました。
大浜海岸へ到着
- 新川の河口(奥は石狩湾)
- 大浜海岸の端
そのまま歩いて新川の河口に到着。大浜海岸の端にあたる部分で、ここで新川は石狩湾に流れ込みます。砂浜に打ち上げられた流木に腰をおろして、ぼーっと海を眺める至福の時間がゆっくりと過ぎていきます。
海をゆっくりと眺めたあとは、ダイサギや、カニをついばむオオセグロカモメを撮影して大浜海岸を出ました。次はさっき通り過ぎた「手稲山口バッタ塚」に向かいます。
手稲山口バッタ塚
十四年から十六年にかけて札幌地方を襲った蝗虫(トノサマバッタ)の被害は、甚だしいものがあった。これは、十三年十勝方面で発生し、次第に日高・勇払・虻田・石狩方面へと拡がった災害で、当時官民ともにその生態については知識がなかったので、まったく手の施しようがなかった。
十三年十一月札幌本庁では、「蝗虫駆除施工順序」を出して卵の孵化を防ぎ、またこれを焼殺すべしと令達した。(中略)捕獲方法として、木綿製の袋を用いたり、蝗虫のいる原野を焼き払ったり、穴を掘って埋め、高く土で覆うなどあらゆる方法を講じて絶滅をはかった(北海道蝗害報告書)。その土盛は現在の手稲区山口の砂丘にバッタ塚として存在する。
『新札幌市史』 p.593-594「蝗害・熊害」の項より抜粋(札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ)
- 手稲山口バッタ塚の石碑
- 手稲山口バッタ塚の説明板
明治の北海道開拓時代に猛威を奮った蝗害。当時の人たちがどのようにこの苦難に立ち向かったかが伺える跡地になっているのが、札幌市指定史跡でもあるこのバッタ塚です。
恥ずかしながら今までずっとこの石碑部分をしてバッタ塚と呼んでいると覆っていたのですが、実際はバッタの成虫や卵嚢を畝状に埋めた盛り上がりをバッタ塚と呼んでいるようです。
たしかに辞書を引くと「塚:土を小高く盛り上げたもの」とあります。……バッタ塚を直に見に行って、このブログ記事を書こうとしなければついぞ巡り合うことのなかったであろう知識。勉強になります。
このバッタ塚について深く考察されている方のブログ記事を発見したので、この手稲山口バッタ塚についてより深く知りたい方はこちらのブログをご覧いただければ幸せになれるかと思います。
- エゾアカヤマアリ
- 桜の花の密を吸いに来たメジロ
バッタ塚付近ではエゾアカヤマアリやメジロを見つけて、このあと山口緑地にちょっと立ち寄った後に家まで帰ってきました。
札幌の歴史、全然知らない問題
僕はもともと生まれも育ちも北海道は道東の釧路人です。ひょんなこと(大学進学)で単身札幌に引っ越してきてからはや15年近く。いまやこの地で結婚して働いています。
「発見!タカトシランド」という札幌出身の芸人であるタカアンドトシが札幌市内の各所をアポ無しでまわる番組があって結構好きでよくみているのですが、その番組のなかで「大友亀太郎(札幌の開拓に尽力した人)は学校で習うよ」的な発言があって、誰それ?となってしまいました。
僕もこの15年ほど札幌市内に生息してようやくどこそこにアレコレがあるということが分かってきてはいるのですが、札幌の歴史的なものにはとんと疎いということに気づいてしまったショック。
自分が現在住んでいる街である札幌の歴史を今後少しずつでも学んでいこうと思った一日でした。