【撮影倍率4倍!】超広角ズーム&リバースアダプターでアリを超マクロ撮影してみた

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前回・前々回と、ケンコーの接写リングを使って撮影倍率を引き上げる方法について記事を書きました。

Kenko接写リングでM.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II の撮影倍率を上げてマクロレンズとして使う
前回、Kenkoの接写リングをマクロレンズに付けてさらに撮影倍率を上げる試みを紹介しました。 そこで今回はマクロレンズではなく、望遠ズームレンズにKenko接写リングを取り付けて、撮影倍率を上げてみた話をしようと思います。 42...
Kenko接写リングを使って M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroの撮影倍率を上げる
先日から始めたアリの飼育。アリを観察していくなかで、猛烈に高まってきた欲望が一つ。 もっと……もっと拡大して撮影したい!! という内なる声が、日々脳内にリフレインするようになってしまい…ベローズやら、リバースリングアダプター、接写リング...

今回はさらに撮影倍率を上げるためにリバースアダプターを導入してみましたので、そのことについて書こうと思います。

リバースアダプターとは

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リバースアダプターとは、レンズを前後逆にカメラに取り付ける(逆付け)ためのアクセサリーです。なんでわざわざそんなことをするかというと、レンズを逆向きに付けることで、撮影倍率を通常より上げて撮影することができるからです。なお、撮影倍率はレンズの焦点距離が短い(広角)であるほど大きくなります。

今回はディスカバーフォトで販売しているマイクロフォーサーズマウント用・フィルター径52mmのリバースアダプターを購入しました。ちなみに価格は1500円くらいと良心的。ちなみにディスカバーフォトでは様々なマウント用のリバースアダプターを販売しています。↓

リバースリング 接写 マクロ撮影 カメラ用品

M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6に装着

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リバースアダプターを使ってレンズを逆向きに装着した場合、焦点距離が短くなるほど撮影倍率があがります。そこで、オリンパス・マイクロフォーサーズマウントの超広角ズームレンズであるM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 を装着してみることにしました。

このレンズのフィルター径は52mmなので、今回購入したリバースアダプターにそのまま取り付けることができます。フィルター径が合わない場合は、ステップアップリングやステップダウンリングを使ってアダプターとリングのフィルター径を合わせましょう。

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レンズにリバースアダプターを取り付けるとこんな感じになります。カメラマウント部分にレンズの前面が来てますね。

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カメラ本体(OM-D E-M5 MarkⅡ)にリバースアダプターを取り付けたレンズを装着したところ。なかなかに前衛的な見た目になります。超えてはいけないラインを超えてしまった感じ。なお、レンズの後玉がむき出し状態で前面に出てくるので傷つけないように注意。

絞り環のないレンズで絞りを調整する方法

なお、リバースアダプターは電子接点がないため、本体に絞り環がない最近のレンズだとカメラ側から絞りの調整ができないので注意です。このM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6もレンズ本体に絞り環がないレンズなので、このそのまま撮影すると絞り開放で固定されてしまいます。

しかしながら超接写時に絞り開放ではピントが合う範囲があまりに狭すぎてとても使い物になりませんので、強引に絞りを絞った状態に固定してみました。

以下のような手順で目当ての絞りで固定できますが、完全に本来の使い方を逸脱した方法なので、レンズに異常が出る可能性があります。僕の場合は大丈夫でしたが、以下の方法を試される方は自己責任でお願いします。

  1. レンズを通常通りカメラに取り付ける
  2. 撮影モードをマニュアルにする
  3. シャッタースピードを5秒くらいに設定する
  4. 固定したい絞り値まで、絞りを絞る(今回はF11まで絞りました)
  5. その状態でシャッターを切る
  6. 撮影中にレンズを手早く取り外す

撮影倍率のおおまかな計測

どれくらい撮影倍率が上がるか試すために、メジャーを最短撮影距離で撮影してみました。以下の写真の1目盛りは1mmです。

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焦点距離11mmで最短距離撮影(ノートリミング)

だいたい5.7mmくらいの範囲が写っているので、センサーサイズの横幅17.3mmから計算すると、撮影倍率は 17.3 ÷ 5.7 ≒ 3.0 倍となります。

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焦点距離9mmで最短距離撮影(ノートリミング)

広角端の9mmでは、さらに被写体に寄れるため、だいたい4.2mmくらいの範囲が写っているので、センサーサイズの横幅17.3mmから計算すると、撮影倍率は 17.3 ÷ 4.2 ≒ 4.1倍となります。

広角端9mmでの撮影倍率が4倍とすごい値を叩き出していますが、被写体とレンズの距離があまりに近くになりすぎて実用的ではないので、11mmで3倍くらいにとどめておいたほうが良さそうです。

実写サンプル(蟻の撮影)

それではいよいよ本番ということで、飼育しているアリの写真を撮ってみることにします。
※当ブログでの蟻飼育記事は「アリ」タグから一覧でご覧いただけます。

アリ カテゴリーの記事一覧 – コリラックマに恋する男子の写真練習帖

なお、以下すべてM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6を、リバースアダプターで逆付けして、焦点距離11mmで撮影した写真(ノートリミング)です。

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コロニー1のトビイロケアリ 蛹 (2016年9月13日撮影)
羽化が近いため、白っぽかった体色が褐色になってきています。

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デジタルテレコンでさらに2倍に拡大して撮影(2016年9月13日撮影)

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上の写真を撮影してから2日。朝起きてみると蛹が羽化していた。(2016年9月15日撮影)

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女王蟻に比べるとそのかなり小さく、2mmに満たないほどの大きさ。羽化したばかりだからか、体色は薄く透き通って見える。(2016年9月15日撮影)

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家族撮影(2016年9月15日撮影)

接写の撮影環境

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ちなみに上記の蟻の写真は、こんな感じで撮影しています。

三脚にピント位置調整のためのマクロスライダーを取り付け、手ブレ防止のためにレリーズでシャッターを切ります。

このまま撮影すると、レンズと被写体までの距離が近くて光がまわらないので、Kenkoのストロボディフューザー「影とり」をつけて、正面からフラッシュを発光させてます。ただ、正面からのフラッシュ光だけだと被写体の立体感がなくなってしまうので、一部の写真では横からFL-300Rをワイヤレス発光させて2灯撮影しています。

まとめ

  • M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6をリバースアダプターで逆付けすると、焦点距離11mmで約3倍、9mmで約4倍の超接写撮影ができる
  • 画質もそこそこ良い

いかがでしたでしょうか。
極小の世界をここまで大写しにできるなんて…リバースアダプターと超広角ズームレンズの組み合わせ、撮影状況は限られますが十分実用的だと思います。

以上、「【撮影倍率4倍!】超広角ズーム&リバースアダプターでアリを超マクロ撮影してみた」でした。

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