富良野ラーメンからの夕張。ダムに沈んだ町と石炭博物館

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前回・前々回と書いてきた三十路男3人お泊りドライブ記事ですが、とうとう今回が最終回。「富良野・夕張」編です。

層雲峡から富良野へ

層雲峡で一泊後、層雲峡・黒岳ロープウェイに乗って景観を楽しんだあとはそこから富良野まで向かいました。カラッと晴れてくれれば良かったのですが、雨が降ったり止んだりのあまりよろしくない天気。

ラベンダーの時期にはまだ早い&天気も不安定ということで、富良野ではお昼ご飯を食べるのに専念することにしました。

富川製麺所のラーメン

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富良野に来たら必ず立ち寄るラーメン屋がある

と言う友人のすすめで、やってきましたラーメン屋は「富川製麺所」。
自家製麺の美味さがヤバイとのことだったので、否応なしに期待は高まります。

富川製麺所 – (有)とみ川

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お店に入ると、奥に長い広々とした空間。
あっさりとしたラーメンが食べたかったので、「石臼引き中華そば」を麺大盛りで注文しました。

出てきたラーメンの麺は、石臼で挽いた全粒粉の細ストレート麺。食べてみるとコシが強い&小麦の風味がしっかりと前面に出てくる今まで食べたことのない感じの麺でした。これは美味しい!スープもあっさりとしていてペロッと完食。これは良いお店を教えてもらいました。

ダムに沈んだ町とシューパロ湖

富川製麺所でラーメンを食べたあとは富良野を出て、美瑛・旭川を経由し夕張へと向かいます。

夕張国道を南下していると左手に橋と大きなダム湖があったので、車を止めて近くまで行ってみることにしました。

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このダム湖、シューパロ湖と言って実はこの下に町がまるごと沈んでいます。
ダム湖から突き出る立ち枯れした木々がその面影を残しています。

ダム湖に沈んだ地域の名は「夕張市鹿嶋」
夕張炭鉱が栄えた最盛期には約2万人が暮らしていたようですが、その後人口は減り続け、シューパロダム建設にあたって平成10年には全戸が移転。その後町はダム湖に水没しました。

夕張シューパロダム/北海道夕張市ホームページ

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自分が暮らしていた町がダムの底に沈む気持ちは想像を絶するものがあります。

夕張市石炭博物館

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ダムの底に沈んだ町を見て感傷的な気分になったまま、やってきたのは夕張市石炭博物館
夕張炭鉱の歴史を伝える、今年の4月28日にリニューアルオープンしたばかりの市営博物館です。

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博物館前には切削機の刃が展示されてたりして、入る前からテンションがあがります。
大人1名1,080円の入館料を払い、さっそく中を見てまわることにしました。

自虐的な展示たち

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はじめに

  • 130年前… ここで初めて石炭が見つかった。
  • 60年前… 日本を代表する大炭鉱が最盛期を迎えた。
  • 40年前… 炭鉱が閉山した跡地に、「石炭の歴史村」という遊園地の建設がスタートした。
  • 10年前… 観光という名の公共事業は力尽き市は財政破綻の苦境に喘いだ
  • 現在… 過去をしっかり見すえて、夕張は新たな歩みを踏み出そうといている。

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全国最低の行政サービスと全国最高の市民負担

かつては大炭鉱町として栄えた夕張市。炭鉱が閉山となってからは大規模に観光分野へ投資をして、かつての活気を取り戻そうとしましたが、次第に赤字が大きくなっていき、2007年には財政破綻を起こし、財政再建団体に指定されてしまいました。

その過去を戒めるかのように、夕張市石炭博物館には上記写真のように自虐的ともとれる展示があります。このような展示をするにあたって、様々な反対意見もあって苦労されたかと思いますが、過去の行いを真摯に振り返るこのような展示ができるのはすごいことだと思います。夕張再建に全力を尽くされている鈴木直道市長の頑張りが目に見えます。

美術館のような館内

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夕張の歴史、炭鉱の歴史を解説する展示内容の充実度はさることながら、館内はまるで一種の美術館のようなアートに溢れた空間になっています。

当時実際に使われていた日用品や、炭鉱で使われていた器具などの展示もたくさんで、在りし日の炭鉱町での生活に思いを寄せることができます。

僕の祖父が釧路太平洋炭礦の炭鉱マンで、小さい頃から炭鉱の話を聞いて育ったのもあり、展示を眺めていて「あ、じいちゃんが話していたあの道具だ」という発見があって楽しく見てまわることができました。

地下展示室

1階・2階の展示を見た後は、いよいよ今回の本命であるところの地下展示室へと向かいます。

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地下へはエレベータで降りるのですが、実際に炭鉱の坑道へ降りていく鉱夫の気持ちを追体験するような仕掛けが仕込まれています。
どんな仕掛けかは是非実際に訪れて体験していただければと思います。

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エレベーターが地下に到着し、扉が開くとそこには地上と全く違った展示空間が広がっていました。この地下展示空間ではマネキンを使った作業員のジオラマや、当時実際に使われていた機械が展示されていて、石炭採掘の実際について知ることができます。

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とことんリアルなマネキン展示を堪能した後は、これまたリアルな捜検所職員のマネ金前を通って模擬坑道へ向かいます。

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模擬坑道

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100年以上前に作られた見学可能な炭鉱としての模擬坑道の入口。
実際の石炭層がある本物の坑道を利用しているようで、「旧北炭夕張炭鉱模擬坑道」と呼ばれ国の登録有形文化財にも指定されているみたいです。

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模擬坑道の出口

館内の展示をじっくりと堪能しすぎて閉館時刻が迫っていたので、模擬坑道は足早に見て終わってしまったのが残念です。次はここもじっくりと堪能するぞと心に誓いました。

発信・取入をコンセプトとした博物館

夕張市石炭博物館は「生きるに向き合う博物館」を新たなコンセプトとしています。これまでの夕張の歩みを後世に残し、また炭鉱とともにあった人々の人生を記録・保管し表現する場として生まれ変わりました。
博物館昨日の充実を図り、地域の皆さんとの関わりを大切にし気軽に利用できる場になるとともに、多くの人々に活用していただける施設を目指します。博物館では夕張のことを外にアピールする「アンプ」、外の力を夕張に引き入れる「ポンプ」の役割も果たすべきであると考えています。
歴史を紐解いて考えてみれば、そこには一人一人の暮らしがあります。そこでどのように暮らしていたのか、どんあ景色があったのか、ここ夕張で暮らした人々の歩みに触れて、自分自身の「生きる」に向き合うきっかけとなっていただければと思います。

「夕張市石炭博物館パンフレット」より

博物館といえば、地域の歴史を外に発信する施設とばかり考えていましたが、ここ夕張石炭博物館は、外の力を夕張に引き入れる役割も意識している博物館のようです。

最初、入館料が1,080円は少し高いかなと思ったのですが、実際に見学してみると、とても魅力的な博物館で大満足でした。これも博物館のコンセプトがはっきりとしているおかげかもしれません。

おわりに

これで計3記事に渡って書いてきた三十路男3人お泊りドライブ記事も終わりです。

大学生のときのサークル仲間3人で再び集まっての旅行、大学生のときに行くよりも数倍楽しく感じました。

自由に使えるお金が増えたのも一因だと思いますが、大学卒業後にそれぞれの専門分野をより深く突き詰めて豊富になった会話の内容も大きいと思います。
車&法律のおっちゃん、地学&エネルギーの巨人、生物&写真のmad……3人それぞれ専門としている分野が異なっているため、互いが普段接することのない知識や考えに触れることができ、とても楽しい旅行となりました。10年後、みんな40歳になったときにも再びこのような旅行に行きたいなーと思っています。

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