7月10日 トビイロケアリの女王が死亡
去年の8月1日にトビイロケアリの女王を捕まえてほぼ一年のあいだ育てていました。
しかし、【トビイロケアリ飼育日記 7】ちゃんと生きてます。 – madの写真練習帖という記事を書いてしばらくたった今年の7月10日。
トビイロケアリの女王アリが死にました。
長いこと食べてる様子がなく、大丈夫かなと心配していた矢先の出来事。
多少覚悟はしていましたが、毎日楽しみにしていた蟻コロニーの成長がここで終わってしまうという衝撃は大きく、数日の間なにもやる気が起きない日々が続きました。
7月15日 カワラケアリの新女王を3匹ゲット
そんな感じでふぬけていたのですが、女王アリが死んだ5日後の7月15日。
いつものように夜中にマンションの非常階段を徘徊して灯りに来ているアリを探していたところ、トビイロケアリカワラケアリ(2017-09-02 訂正)の新女王アリを3匹捕まえることができました。
「これで蟻の飼育が再開できる!」と嬉しくなって3匹の新女王を別々の飼育容器に入れて眺めていたところ、「女王アリが死んだコロニーに新しい女王アリを入れたらどうなるんだろう」という興味が湧いてきました。
新しい女王アリを里親的なポジションにできないだろうかと。
そこで、女王不在となったコロニーに新しく捕まえた女王アリを1匹入れてみたところ……元からいた働きアリに気の毒なくらい攻撃されていました。
外敵を発見したとばかりに数匹の働きアリが、侵入者であるところの新女王を追いかけまわして足に噛みつきます。
追い掛け回される新女王は慌てふためいて逃げ惑っています。
予想していたこととはいえ、ここまで敏感に反応するんですね。
7月16日 女王が死んだコロニーの働きアリを間引き
これは新女王、殺されるかなと思いながら寝て起きた次の日、新女王に対する攻撃の手は若干ゆるんで、彼女は飼育容器の隅の方で身を縮めていました。
アリは体表炭化水素の組成比により、ある個体が同一巣内の仲間かそうでないかを見分けるようですが、卵・幼虫・蛹のうちは他の巣のものであっても排他的な行動をとられないようで、よそから取ってきた蛹(繭)を飼育しているコロニーに移植したという記事を見かけたことがあります。 そこで、逆に「幼虫・蛹・卵の集まりの中に新しく女王アリを入れたらちゃんとそれら世話をするんじゃないか」という発想に思い至りました。 ものは試しと、女王が死んだコロニーにいた働き蟻を全て間引き、そこに新しくこの女王アリを入れてみました。
7月18日 新しく投入した女王アリが、もとからいた蛹や幼虫の世話をした
いきなり他人の蛹・幼虫・卵がいる部屋に単身投入された新しい女王アリ。
最初は環境の変化にあわてているようでしたが、しばらく経つと動きが落ち着いてきました。
そして投入した翌日の7月18日。
前の女王の子である蛹や幼虫を、新しくいれた女王が世話しているところを観察できました。
顎で蛹や幼虫を咥えて、その場所を入れ替えたりしていました。
ここらへん、全然写真を撮っていなかったのが残念ですが、これはうまくいきそうだという思いが湧き上がってきました。
7月30日 もとからいた蛹が1匹羽化
めでたく、前の女王の子である蛹が1匹羽化しました。
新しい里親との関係も悪くないらしく、2匹そろって残された蛹や幼虫の世話をしている雰囲気です。
写真に写っている蛹・繭・幼虫は、前の女王のこども。
ほんのり茶色く色づいた裸蛹は近日中に浮かしそうな感じです。
ちなみにたくさんある卵は、新しく投入した女王が産んだものです。
7月31日 働きアリがさらに2匹羽化
本日、仕事から帰ってきて夕方に観察してみると、働きアリがさらに2匹羽化して計3匹になっていました。このあと、新しく投入された女王アリの卵がちゃんと育つかどうかが楽しみです。
使用カメラ
TG-4にフラッシュディフューザー(FD-1)を付けると、いとも気軽に高倍率マクロ撮影が可能なので、アリの観察写真を撮る時に便利です。
